HA36S インテークキット
だいぶ遅れてたけど、ついに先日仕上がった。
今回正式に販売されることになった、HA36Sアルトワークス用のインテークキットだ。
事の発端はパーツの開発構想に向けて車両を持ち込んだ3年前だね。
大倉社長によるとこの辺のパーツで、ある部分だけが製品化されていないことに注目した。
それがこれ(画像左)。
タービンインレットパイピングだ。
HA36Sはアルトワークスの中でも超絶この辺が狭い。
故に大手有名メーカーでは触らなかったであろうこの部分にあえて手を出し、旋風を巻き起こそうではないかというのが最初だった。
あれから3年。
紆余曲折ありなかなか話が進まず、昨年着手しようとするも作業の混雑や白銀の懐事情で断念。
そして今年、夏に着工予定だったのが遅れに遅れて10月からようやく開始。
ついに11月1日、お披露目となった。
上の画像の通り、まずはこのタービンインレットだ。
L字のキツい純正から、なだらかにRを描いた右の製品。
しかも鋳物の純正と異なり、肉薄な高品質アルミを使用し内径も拡張されている。
フランジ類はすべてマシニングの削り出し。
インタークーラーサクションもこの通り。
社長曰く、タービン直後の加給された空気はストレートに出したほうが効率的とのこと。
そのノウハウから出口直後より曲がっていた純正と違い、真っ直ぐに伸びた後に緩やかにRを描く今回の製品はパイプ系も拡大している。
ブローオフも本来の位置から変更。
さらに純正ではなく、トラスト・ブローオフFVをキット付属として標準化された。
リターンも大気開放も選択できるが、標準ではリターン推奨となっている。
サクション側のパイピングが長めに設定されている為、大気開放を行う場合は若干カットを推奨とのこと。
エアクリーナーもトラスト製乾式フィルターのエアインクスをチョイス。
基本的にメンテナンスフリーであることがポイント。
カラーも派手さのないディープブルーで、見た目のまとまりに拘った。
そしてボンネットを開けて一番に目に飛び込むのは、やはりエアクリーナー直後のこの極太サクションパイピングだね。
管径なんと70φ、太いどころじゃない。
遮熱板やサクションを固定するステーは全てチタン製。
社長の拘りでもある金属の素地の重厚感が、その存在感をより引き立ててくれる。
遮熱板にはFDEのエンブレムだけでなく、トラストはGReddyのロゴプレートも。
なんと本来エアクリーナー本体のフィンにぶっ刺すプレートらしいのだが、それだとダサいし遮熱板にちょうどいいスペースがあったからwとのことだった。
相変わらずというかいつもの事なのだが、言うこと一切容赦がないのもご愛敬。
エアクリーナーの断面角度に合わせ、遮熱板もカットされている。
プロトタイプの為、若干マジックによるカットラインの跡が…。
まぁ、むしろオンリーワンに拍車をかけてくれるので白銀的には満足ポイントだったりする。
タービン周りはこんな感じ、もうギッチギチ。
この辺のボタンビスの取り付けは相当難儀するらしく、工具の揃えや技術的に自信の無い方は潔くショップや整備工場に持ち込んだほうがいいそうだ。
サクション~インレットのスペースが本当にギリギリで、クリアランス的には1~2㎜程度。
安全性を考慮し、この位置に張り付けて使用するスポンジテープが同梱されている。
テープによってクリアランスは無くなってしまうが、問題はないとのこと。
ノーマルタービンでもその性能は十分に発揮してくれるのだが、カスタムやチューニングが進んでくるとキャパが不足する可能性が高いとのこと。
同社のデモカーであるジムニー(JB23)も近しい仕様となっているが、タービンの容量が足りず失速するという事態が発生しているという話をすれば如何にこの辺の技術を持っているかを察してもらえるかと思う。
そもそも、どちらかといえばタービン交換車両にこそというパーツなのでぜひ。
さて、実際長く書いてきたが。
本当のところその性能はどうなのか?
車を引き取り、120㎞ほど巡行しつつ吟味してきた。
結論からいえば、本当に体感できる。
まず1~2速、間違いなく加速感が違う。
低回転からの立ち上がるトルク感はもちろんだが、ブーストの立ち上がり方が明らかにノーマルではないのだ。
3~4速も伸び方が違う。
今まではもっさりとしていた加速感がかなりシャープになった印象。
大抵、こういったパーツ交換での体感というのは取り付けた事による高揚感からくるプラシーボであるといつも片付けてきたが、今回は本当に違う。
ブースト計の動きやスピードメーター、タコメーターの回り方が違うのだ。
特に分かりやすいポイントを挙げるとするなら、ブーストのオーバーシュートだ。
ワークスは基本値としてブーストが0.9kpaなのだが、全開時1.1kpaを何度も超える瞬間があった。
ノーマルでもあるにはあるのだが、頻度や1度の踏み込み当たりでのオーバーシュートする回数が明らかに多い。
効率が上がり過ぎているのだ、予想外というか予想以上の効果。
社長に連絡したらブーコンの導入検討の流れになった…これが今回一番の予想外ネタ。
はっきり言って、体感できないと見た目がスゴい!で終わってしまうかもしれない。
しかし、乗れば間違いなく異質なパーツであると実感してもらえると思う。
すでにアップデート計画も出ていて、今後さらにチタンパーツ追加するらしい。
現状で価格はエアクリーナーやブローオフ、チタン製の遮熱板などがフルセットとなった仕様で税抜き14万とのこと(アップデートで価格が変わる可能性があるので要問合せ)。
製品案内のPVは今後天候との相談ではあるが、来春には本格的な形で提供できるのではないかと思う。
ちなみにだが。
第一触媒以降の排気系強化パーツや、DRL(ダイワレーシングラボ)とのコラボによる純国産高性能インタークーラーなどの開発も話があります(一部渋い顔されたけど)。
他社と一線を引く、本物の高品質な製品をユーザーの皆さんに体感していただきたいので販促ではありますが、ぜひよろしくお願いします。